「良い学校」難民の末、ホームスクール始めました

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  •  ヴィクトリア州の幼稚園

私達の住むオーストラリアのヴィクトリア州では、日本の年長児にあたる5歳、6歳から小学校へ入学する。

 

 4学期制のキンダー(幼稚園)も3学期には、どの小学校へ入学を決めたか、子供のお迎えに来る母親間の話題は持ちきりだ。


私はそのころ「良い学校」難民になっていたのと、前年に購入した家が出来上がる
タイミングによっては入学後すぐに娘を転校させることになってしまうので、とりあえずは優柔不断なのでまだ決めかねているとお母さん方に返事をしていた。

  •  人気の小学校は「校区制」

実際には、キンダーの3学期に探し始めるのではかなり遅いほうで、公立学校の「良い学校」に子供を入れさせたい場合は入学前にその学校の校区内に家を購入したり、借りたりしている家庭も多い。

 

そんな私達夫婦も購入した自宅もまた「良い学校」に通える校区内に留まる事を第一条件にして選んだものだった。

 校区制になっているのは今のところ、人気があり入学希望者数が定員オーバーの学校についてのみで、定員未満の学校については入学者が希望すればどの地区からでも通える事になっている。


定員オーバーで第一希望の学校から入学許可が下りなかった家庭は、第二希望、第三希望と学校訪問を続け「良い学校」難民と化していくのである。

 

 私の住む校区内の公立学校は運良く、誰もが「良い学校」という学校だった。
私は何がそんなに「良い学校」なのかというのを知りたい好奇心から入学願書を提出後、その学校の校長に面談のスケジュールを調整してもらった。

 

  • 志望校の校長との面談にて

オーストラリアにはmyschool(https://www.myschool.edu.au/)という全国の学校別データを公開しているサイトがあり、生徒の人種、世帯収入、各教科の成績等はこのサイトを見ればわかるので、面談ではスタッフや学校の雰囲気を聞いてこようと思った。

 公立学校であっても、校区外の学校へ通学ができるオーストラリアでは、年に数回の学校見学会が行なわれている。また、学校選定の判断材料に校長との面談を申し込む家庭も少なくない。

 

結果として、校長との面談は私がフルタイムでホームスクールをする決心をする上での決定打になったので校長にはとても感謝している。

 

というのも、「良い学校」の校長はあまりにも官僚的で、傲慢な話し方をするような男性だったので、娘をこの先何年間も預けたいと全く思えなくなってしまったからだ。

 

面談には副校長も参加していて、彼女は肝っ玉母さんのような大らかで笑顔の素敵な女性だった。「良い学校」はきっと彼女が院政を行っているからか、単に校区内は上中流家庭がマジョリティーを占めているために生徒の成績も素行も良いだけに違いないと思った。

 

今までの人生はほとんど自分自身に関する決断ばかりだったので、割りとすぐに大きな決断もできた。
しかし今回はもし間違った決断をした場合、その代償は子供が払う事になると悩み、約半年なかなか決断できずにいた。

面談自体の鬱蒼な感じとは対象的に帰り道は半年分の悩みから開放されて久しぶりにとても清々しい気持ちになったのを覚えている。