サインをするだけ??ヴィクトリア州の登録制度

ホームスクールをしていると言うと、頻繁に聞かれる質問のひとつに、ホームスクーラーの両親は教員免許を持っているのかという事だ。

ほとんどの両親は教員免許は持っていないし、ホームスクーラーとして登録する際には全くといって何の資格も条件も問われる事はない。

 

 

必要なのは、VRQA:Victorian Registration and Qualifications Authority

から登録用紙をダウンロードをして必要事項を記入の上、同協会に送付する事だけだ。

その登録用紙も、氏名や住所をの連絡先事項の記入がほとんどで、

ホームスクールに関連する事項は以下抜粋部分について同意、署名する欄くらいだ。

 

*I/We undertake that *my/our children named XX will receive regular and efficient instruction that:

 

a) taken as a whole, will substantially address the following learning areas: • English • Mathematics • Sciences (including physics, chemistry and biology) • Humanities and social sciences (including history, geography, economics, business, civics and citizenship) • The arts • Languages • Health and physical education • Information and communication technology and design and technology, and

 

 b) will be consistent with the principles underlying the Act, being the principles and practice of Australian democracy, including a commitment to: • elected government • the rule of law • equal rights for all before the law • freedom of religion • freedom of speech and association • the values of openness and tolerance

 

要約すると、

「私達ホームスクーラーの親は英語、数学、科学…ITこれらの教科に力を入れて教え、ホームスクーラーがオーストラリアの民主主義的価値云々に合致した教育を受けるための責任を負います。」との事。

 

 

送付後約2週間でVRQAから登録完了のレターが送られて来て、晴れて「公式に」ホームスクーラーとなる。

 

 

「公式に」というのは今日現在、ビクトリアでは登録をしていない「非公式」ホームスクーラーの数が「公式」ホームスクーラーを大きく上回るためだ。

NSW州では未登録の「非公式」ホームスクーラーに罰金が課された判例が出たが、今のところVIC州は非公式ホームスクーラーに対しての厳重措置はとられていない。

 

 

ただ、VIC州もNSW州を見習った登録制度、法整備を進めているため、2018年度からは登録の際に学習計画表の提出が課せられるようになった。

 

 

学習計画表提出の影響を受けるとされているのはおもにUnschoolerと呼ばれるホームスクーラーで、彼らは自身の教育信念に従って、上述の宣誓項目にある教科は教えないケースが多いため、計画表の提出は困難を極めるはずだ。もっとも、Unschoolerの場合そもそも登録

さえもしていない場合が少なくないのだが。

 

 

そんなこんなで、VIC州の登録は至ってシンプル、経験不問で多くの家庭では子供に教えるために親が予め教え方について予習して対応したり、夫婦間で得意教科を分担しているのが現状だ。

 

 

私は学生時代家庭教師のアルバイトをしていたので教える事に抵抗はなかったのが救いだったが、それでも英語で私自身が苦手だった算数を教えるとなると予習は欠かせないし、将来的には子供にプログラミングを学んで欲しいと思うので、いつかプログラミングを自分でもある程度覚えなくてはいけないのかと考えるだけで疲れてしまうが。

 

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